技術概要
AutoML技術について
AutoML(自動機械学習/機械学習自動化)は、機械学習を行う際に必要なさまざまなプロセスを自動化する技術です。多くのAutoMLツールは、データセットと機械学習で予測したい項目を指定することで、機械学習のモデル(AIモデル)を自動で構築することが可能となっており、AIの民主化を進める技術として注目を浴びています。
これまでの多くのAutoML技術には以下の問題がありました。
- AIモデルの構築に時間がかかる/膨大なコンピュータリソースを必要とする
- 自動化の過程で、AIモデル構築に必要なすべての処理の組合せを実行して評価する探索的なアプローチを採用するため。
- どのようにAIモデルが構築されたかがわからない
- 構築されたAIモデルのみが提供され、AIモデルを構築するためのプログラムが提供されないため。
Fujitsu AutoML AIモデル開発の自動化(機械学習自動化)
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Fujitsu AutoMLについて
われわれはこれらの問題へ対処するために、高精度なAIモデルを、試行錯誤可能な実行プログラムも含めて短時間で生成する富士通独自のAutoML技術Fujitsu AutoMLを開発しました。 技術の特徴は以下の2つです。
- 過去の高精度なAIモデルを構築するプログラムを学習し、適切な処理を予測によって自動で生成する技術
- AIモデルを構築するプログラムを説明付きで提示する技術
これらの特徴によって、以下の通り前述の問題へ対処しています。
- 高速: 探索的なアプローチですべての組合せを評価せず、AIモデルで予測した処理のみを評価するため、高速にAIモデルの構築が可能
- 透明性: AIモデルを構築するためのプログラムを説明付きで提供するため、AIモデル構築プロセスを容易に理解可能
- 高精度: 過去の高精度なAIモデルを構築したプログラムを学習に用いているため高精度なAIモデルの構築が可能
なお、Fujitsu AutoMLで利用しているAutoML技術SapientMLは、ソフトウェア工学の主要な国際会議であるICSE2022に採択されています。
- タイトル:SapientML: Synthesizing Machine Learning Pipelines by Learningfrom Human-Written Solutions
- 発表会議:44th International Conference on Software Engineering (ICSE 2022)
- プレプリント版の論文
Fujitsu AutoMLの仕様(対応データ、対応問題種別)について
適用可能なデータ形式は以下です。
- テーブルデータ(表形式のデータ)
- 数値、文字列、日付データを説明変数として利用可能
適用可能な問題種別は以下です。
- 分類問題(限られた選択肢(カテゴリ)を予測する問題)
- 適用例: 購買予測、良品/不良品判定、優良顧客推定
- 回帰問題(人数や値段など数値を予測する問題)
- 適用例: 需要予測、最適価格予測
ユースケース
こんなことで困っていませんか?
- AIの導入が進めようとしている。しかしデータサイエンティストがいない。
- AIが適用できそうなデータを持っており、AIのアイデアがある。しかしながら、データサイエンティストへ作業を依頼する前にAIの適用が可能などうかを自分達でさっと確認したい。
- データサイエンティストへの作業依頼をスムーズに行いたい。
Fujitsu AutoMLが活躍するシーン
- データセットと予測対象に関する情報だけから高精度なAIモデルを短時間で作りたい
- データセットをいろいろと変更してAIモデルの予測精度がどのように変わるかを迅速に試したい
- 作ったAIモデルがどのように処理をしているか/なぜそのような処理をしているかを理解しながら試行錯誤を進めたい
既存AutoMLツールとの違い
- 既存AutoMLツールでは、AIモデルの構築に時間がかかる/多くのコンピュータリソースが必要でコストがかかる
- 既存AutoMLツールでは、AIモデルの構築プロセスがわかりづらい
- 既存AutoMLツールで作成したAIモデルは、ツールを提供するプラットフォームでしか利用できない(プラットフォームへの依存性が高く、一度利用すると離れられない)
利用手順
Fujitsu AutoMLを無償でトライアル利用できるアプリを用意いたしました。皆様にぜひFujitsu AutoML活用のイメージをより膨らませて頂ければと思います。
また、こちらのアプリを通じての商談のお問い合わせもお待ちしております。なお、いくつかのコア機能を制限させていただいております。